
今回、日本酒フェスティバルに参加するため初めて訪れた「目黒雅叙園」で思わぬ発見がありました。
雅叙園の門塀から程ないところエントランスへ向かう途中に“お七の井戸”を示す札が立っております。
恋人・吉三に会いたさ見たさに身を焦がすあまり、「火事になれば町の木戸が開く」と思い立ち実際に火を放ってしまったという、情念ありあまるクレイジーガールとして後世に伝えられる“
八百屋のお七”。
私はその八百屋のお七のファンなのでありました。
いやいやお七のファンといえば語弊があります。こんなとんでもない女性はご遠慮願いたい、というより、関わりあいたくてもかかわりあえませんが…
歌舞伎の演目『櫓のお七』のファンなのでございます。
八百新酒造の創業者は八百屋新三郎。
私の父は新三郎の孫として八百屋の性を受けて生まれましたが、訳あって、とりことりよめで小林家の養子となりました。そんなことがなければその子の私はそのまま“八百屋”性を名乗るところだったのです。ということで一族は大体八百屋姓でありまして、当然ながら“八百屋”の響きに強い親近感を覚えるものであります。
だからかどうか、学生時代、歌舞伎座の前を通りかかった時、そこにあがっていた伊達娘恋緋鹿子『火の見櫓の段』
八百屋お七うんぬんの看板を見止めるや、すすすと身体が入り口に吸い寄せられ、500円でチケットを買い3階席に登ったのでした。
お七を演ずるは坂東玉三郎。文楽の人形使いが人形と化したお七を操るという設定の“人形振り”という趣向で、義太夫節のリズムに乗ってヒップホップダンスさながら、くるくると舞台を跳ね、宙を舞います。全くの無表情で完全に人形になりきって振袖の重さを一切感じさせない玉三郎の身のこなし。櫓をひょいひょいと登り、髪振り乱して半鐘を打ち鳴らすクライマックス。それは、それまで私が抱いていた歌舞伎の概念を完膚なきまで打ち砕く衝撃でした。玉三郎の鍛え上げられた完璧な肉体に私の目は釘付けとなり、その神々しい美しさにすっかり魅了されてしまいました。
以来、私は坂東玉三郎を崇拝することとなります。
というようなことを一気に思い出し、イベントが始まる前から、ハイテンションになったと言うだけの話でした。 おわり。

- 2006/08/04(金) 07:08:18|
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思いがけない出会いは喜びも倍増です。それに気づくかどうかも自身の今までの人生の結果なのでしょう。良かったですね。
- 2006/08/05(土) 09:03:15 |
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- うるとらはるく #-
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人からみれば、なんてことないことなんでしょうけど、自分だけにはラッキーなんですよね。
- 2006/08/08(火) 11:39:26 |
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- 八百新酒造小林 #-
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