Enjoy酒造り

雁木、錦乃誉の蔵元 八百新酒造から酒蔵の情報をお届けします。

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神妙な時間

袋吊り①

時系列を無視して2月21日のこと。
その日は、35%まで磨いた山田錦を仕込んだ大吟醸の醪(もろみ)の「袋吊り」の作業をしました。
通常、ほとんどの醪は圧搾機を使ってしぼりますが、毎年仕込んだ醪の1本か2本だけ「袋吊り」という方法で醪をしぼります。晒し木綿を縫って手づくりした袋に勺ですくって醪を詰め、それを一袋づつ吊るしていきます。自らの重み以外には一切無加圧の状態で袋から滴り出る酒のみを採取するためです。米が溶けきれないままの固形分に包み込まれている液状分を無理に搾り出すのではなく、固形分から離れている部分だけが採れることになります。
圧搾機で搾りきった酒と、この「袋吊り」で搾った酒、その優劣がどちらにあるとも言えないと私は思っていますが、「袋吊り」の方がより洗練され繊細な味であることは間違いありません。日本酒業界で伝統的に毎年開催されている鑑評会に出品する酒を採取することが直接的な目的ではありますが、それ以上に、酒の奥の奥にあるものを見つめ、結果として想定する酒質とその過程との関係をより細密に掴み取る上で必要であり意義があると、私はこの作業を大事にしています。
袋吊り②

酒袋は使い捨てで毎年晒し木綿を家内が縫って作ります。
「吊るし」の作業をやっている時は甘く澄んだ果実のような香りに包まれ、それぞれの袋から雫が滴る音がタンクにコロコロと反響し、互いの音が不規則なリズムで静かに共鳴しあってまるでガムランの音宇宙です。
斗瓶採り
ほんの少しずつしか雫は垂れないのである程度タンクに溜まるまでには長い時間がかかります。ですから溜まった酒をタンクの呑み口を開いて斗瓶に採るのは大抵夜中の仕事になります。静まり返った蔵の中で硝子の斗瓶の内壁をスゥーッとつたって流れ落ちるまだ白濁している液体。それをジーッと見入っていると何か込み上げてくるものがあります。達成感…虚脱感…反省… 神妙な時間です。
「出麹のタイミングはあれで良かったか?」「追い水の量は?」、等々きりがありません。

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  1. 2006/03/19(日) 19:16:20|
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八尾新酒造さんの朝しぼり大吟醸

 八百新酒造さんの朝しぼり大吟醸、とっても濃厚な味わいでした。 ブログも始めておられます。こちらでして、今日は「袋吊り」の話題が出ていましたよ。 
  1. 2006/03/20(月) 21:14:29 |
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